にだてんとエデン
このような仕事をやっていると、不可解な仕事が舞い込むこともままある。
引っ越しにしても同棲中らしき部屋から一人分の荷物を抜くとか、明らかにもめてる声が聞こえる中で作業するなど、不穏な事もあった。
ここには書けないような事を頼まれたこともあった。
にだてんは、その都度迅速な判断を下して受ける受けないを決めるのだが、その判断が間違っていたと気づくのは、大抵もう手遅れになってからのことであったりする。
これは、今まで受けた依頼で最も不穏だった仕事のことである。
読者諸賢もご存じの通り、アストラギウス銀河を二分するギルガメスとバララントの陣営は互いに軍を形成し、もはや開戦の理由など誰もわからなくなった銀河規模の戦争を100年間継続していた。
その“百年戦争”の末期、リサイクルショップピックアップ店長であったにだてんは、味方の基地を強襲するという不可解な作戦に参加させられる。
作戦中、にだてんは「素体」と呼ばれるギルガメス軍最高機密を目にしたため軍から追われる身となり、町から町へ、星から星へと幾多の「戦場」を放浪する。
その逃走の中、にだてんはある店にたどり着く。
食う者と食われる者、そのおこぼれを狙う者。牙を持たぬ者は生きて行かれぬ暴力の店。あらゆる悪徳が武装する、バーエデン。ここは百年戦争が産み落とした豊島区のソドムの市。にだてんの体に染みついた硝煙の臭いに引かれて危険な奴らが集まってくる。
次回、『ゆるい自営業バー』。にだてんが出す、エデンのコーヒーは苦い。
という事情で、来る6月23日17:00より、豊島区要町にあるイベントバーエデンにおいてにだてんによる「ゆるい自営業バー」が開催される。
チャージ500円、ソフトドリンク300円(飲み放題1,000円)、アルコール500円、食事500円の明朗会計。
社畜の鎖から解き放たれ、ゆるく自営をはじめたにだてんの、ポリシーなき生き様を気の向くままに語る。
ご用とお急ぎでない方は、是非お寄りいただきたい。
ちなみにコーヒーは出ない。