にだてんと王様ゲーム
にだてんは王様ゲームというものをしたことがない。
乏しい知識の中で知っているのは、くじを引いて王様を決めるということである。
くじで王を決める、ということから思い起こされるのは、室町幕府6代将軍、足利義教のことである。
義教の先代将軍は、彼の甥にあたる義量であり、実権は義量の父であり義教の兄である4代将軍足利義持が握っていた。
義量の死後も義持が後継者を選ぶのを拒否し、後継者不在のまま義持も死んでしまった。
そのためにくじで決められたのが、くじ引き将軍足利義教である。
また、王とは違うが古代アテネにおいては公職者をくじで選んでいた。
専門知識のない市民が公職をになう危険性を説いていたソクラテスは、まさにくじによって選ばれた裁判官によって死刑に処された。
かように歴史上にも権力者をくじによって決めたという先例は少ないがある。
将軍義教のくじが石清水八幡宮で引かれ、古代アテネにおいて公職者を選ぶくじは神意であると見なされたように、くじとはまさに神意である。
なれば王様ゲームは神意によって王権を与えられるゲームであるはずだ。
王は神の代理人であり、彼に逆らうことは神を冒涜することである。
この王権の絶対性は、「王様の命令は絶対」というルールに見て取れる。
それであれば、命令ひとつごとに王様が交代するという「ルール」は社会契約論的であるとして否定してしかるべきである。
「王様だーれだ!?」
「はーい! にだてんが王様です!」
「命令は、」
「王をくじで決めることをやめ、世襲制にせよ!!」
今度みんなで王様ゲームやりましょう。